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「これが、俺が『アナザー』を発動させるきっかけになった魔法だ」
カノンがユウイを見ると、ユウイは一瞬体を震わせた。魔力の少なさをバカにした相手が、実は自分より遥かに強力な魔法を使えることを見せつけられたのだから、仕方ないとは言えるのだが。
「まぁ、人に今の魔法を打ち込むことはたまにしかないから安心しろ」
「・・・できるわけがない」
疑いの目を向けるユウイ。しかしその目は、同時にカノンの実力を認める目でもあった。
「・・・ま、実力わかればそれでいいか」
カノンはユウイの目を気にしていないようだ。
「・・・ねぇ」
「あん?」
「・・・パートナーの件なんだけど」
「ああ、別に構わないが」
「・・・ほんと?」
「ああ。新しい魔法を作るチャンスでもあるしな。暇潰しもかねて、付き合ってやるよ」
「・・・ありがとう」
こうして、あまりに急ではあるものの、カノンの魔法学校への編入、そして、そこで苦楽を共にするパートナーが決まった。
「襲わないでね?」
「襲うと言う選択肢はない」
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