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「おい、来たぞ」
「ちょっとまてよ、なんでティガまでいやがる!?」
先程蹴り飛ばした男を引きずりながら、案内された場所へ赴いたカノンとティガ。目的は勿論、
「勿論、お前らを徹底的に叩き潰すためさ」
そう言いながら、引きずっていた男を投げ飛ばす。力なく宙を漂いながら、男は地面に叩きつけられた。肩が上下に動いてるところから、生きていることは確認できる。
「こうなりたくなかったら、これでも喰らっとけ」
整った顔立ちのまま、カノンは魔法の詠唱を始めた。
「カノンが詠唱だと?」
隣のティガだけは、この出来事に警鐘をならす。詠唱とは、魔法の威力を底上げする、予備動作である。これによって、同じ魔法でも威力が変わってくる。
「く、呼び出しておいて、そんな真似ができるか!」
恐らく不良グループであろう集団の一人が、同じように魔法の詠唱を始めたが、その頃にはすでにカノンの詠唱は終わっていた。
「フレア・5th・P」
恐らくは魔法の名前であろうそれを呟くと、カノンの頭上にバレーボール大の火の玉が5つ浮かんだ。
「ふぇふすぱわあだぁ?単にフレア5回分だろうが!」
「これだから単細胞の不良(バカ)は・・・」
「なにぃ!?」
魔法を出しながら相手を侮辱するカノン。その表情は全く変わっていない。
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