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「・・・おい、まてよ、それ、当たったら死ぬって!!」
直後、不良達はカノンの出した魔法の「意味」を知る。
「2回しか掛け合わせらんねぇてめぇらじゃ相手にすらなんねぇんだよ」
カノンの頭上の火の玉が次々にくっついていって、その大きさをどんどんと肥大させていく。その大きさは2倍3倍ではなく、まるで2乗3乗するかのように。
「俺は俺の使える魔法なら、5回は掛け合わせられる。これが俺が最強である所以だ」
そして、すべてが合わさった火の玉は、はじめのバレーボール大から一転、直径4メートル程にまでなっていた。
「いい機会だ、しばらく入院生活でも味わってこいよ」
「いやいやそれ喰らったら救急車じゃなくて霊柩車必要になるから!入院生活じゃなくて黄泉での生活になるから!」
「それでもいいんじゃねぇか?」
(だめだこのドS、俺たちじゃどうすることもできねぇ!!)
不良達の心のツッコミが聞こえてきそうなほど、場の空気が一致した。そんな中、カノンだけが、この場に起きている違和感に気づいた。
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