ああ、あんたらとは魔法の使い方が違うみたいだ

7/19
前へ
/226ページ
次へ
(おかしい、魔法の出力がどこかに抜けている。詠唱に不備はねぇし・・・) 魔法の使用者だけが知り得る、その魔法の出力。その低下に、カノンは気づいていた。しかし、なぜ抜けていっているかは、カノンにすら知り得ることはなく。 「ついでに言っておくが、ふぇふすじゃなくフィフスだ。死ぬ前に勉強になったな」 「死ぬっていっちゃったよこいつ!!」 カノンの言葉に、不良の一人が全力でツッコンだ。その時、カノンとその回りに不思議な空間が広がった。 「!?」 「!?」 「っ・・・?」 若干置いてきぼりだったティガを始め、その場にいる人間は一様に驚愕し、辺りを見回した。 ただ一人、カノンを除いて。 (この空気、長距離移動の魔法によく似ている。しかし、どこか違う。出力が明らかに違うし・・・!?) そして、頭の中で考察し、あることに気づいた。 (この魔力、俺のものじゃねぇか・・・!) そして、さらに違和感に気づく、頭上を見上げると、先程までそこにあったはずの巨大な火の玉が、跡形もなく消えてしまっていたのだ。
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

569人が本棚に入れています
本棚に追加