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『異空間移動魔法開通でございー』
どこからともなく声が聞こえた。その声に気づいたものが、声のする方を向くと、そこには宙に浮く小人の姿があった。
『やぁ。ボクはアナザー。この魔法そのものにして、異世界への扉の守護者だよ』
陽気な声で自己紹介をする、アナザーと言う名の小人。あまりにも異様な空間のなか、カノンを含め全ての人間が言葉を出せないでいた。そんなことをよそに、アナザーはピョンピョンと跳ねるように移動し、カノンの目の前で止まった。
『さっきのどでかい火の玉、あれ、君が作り出したものだね?』
「・・・ああ」
冷静さが戻ってきたのか、顔色を変えることなく返事をするカノン。回りはまだ、冷静さを取り戻せないでいた。
「で、なんの用だ?俺をその異世界に連れていこうとでも」
『あ、よくわかったね!』
「・・・確証はなかったがな」
「おいちょっと待てカノン!一体どういうことなんだ!?」
ティガが口調を荒げてカノンに問いかける。その問いに答えたのはカノンではなく、アナザーだった。
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