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ここは私の部屋なのに、どうしてこんな命令されなきゃいけないんだろう。
だけど逆らえないのも事実。
いつも会社で見せる怖い顔と背筋を凍らせる冷たい声。
跳び跳ねるように立ち上がり、ソファーの端に座る。
グイッと腰を引き寄せられ、部長の胸に顔を埋めるように抱き締められた。
どうして？
温かくて変な気分。
どうしてこんなに安心できるんだろう。
「で、婚約者ってなんですか？」
さっき部長が言った『婚約者の部屋に入って何が悪い？』を思いだし、下から見上げるようにして恐る恐る聞いてみた。
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