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しかも、あんなに誠実だった稔が浮気だなんて……。
あんなに好きだって言ってくれていたのは嘘だったの?
考えることが多すぎて頭が回らない。
もう頭が痛くてくらくらする。
何も言えない私に大きなため息をこぼすと、歪んだ表情のまま稔はくるりと背中を向けて帰っていく。
引き止める言葉も浮かばなくて。
罵ってやることすら思い浮かばなくて。
終わっちゃった……。
頭に浮かぶのはそれだけ。
ただ見えなくなるまで稔の背中を眺めていた。
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