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いやいや、社交辞令に決まってますから!
言いませんけど。
その後は重い沈黙に息が苦しくなるほど緊張して、膝の上の鞄を握り締めていた。
何か気に障ることを言って会社に連れ戻されたら大変。
こういう時は黙っているに限る。
マンションの前につくと、見慣れた姿に胸が高鳴る。
部長にお礼を言ってそそくさと駆け寄ると、彼氏の稔が立っていた。
「ありさ、お帰り」
「中で待っててくれれば良かったのに」
ついつい頬が緩んでしまう。
同棲はしていないものの、彼とは合鍵を持ちあう間柄。
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