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「これで彼に遠慮することもない。ありさ、結婚してくれるね?」
部長はきっと私のプライドを守るためと、代わりに稔に仕返しするために言ってくれてるんだと思うことにして、負けたくない一心で無理やり笑顔を作ると部長に寄り添った。
「はい、私結婚します」
「そう言ってくれると思ってたよ」
部長は嬉しそうに私の頬にキスをした。
「やっぱりそういうことか……。残業なんて下手な嘘……。ずっとそいつといたんだろ? じゃあな」
まさか、稔がそんな風に思っていたなんて……。
私が浮気なんて出来るほど器用じゃないことを1番よく知ってるはずなのに。
5年も付き合っていたのに、稔のあんな顔見たことない。
いつも穏やかな優しい表情しか知らない。
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