第壱話 高嶺高校文化祭

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「そろそろ、始まるね」  結衣の言葉で、時計を見る。清春祭開始一分前、体に一瞬緊張が走る。  時計の針が9時を挿す。 「これより、第34回清春祭を開催します」  生徒会長の放送により、学校中の空気が変わった。 俺は自分の頬を軽く叩く。 「さて、俺も頑張るとするか!」  俺の方に執事姿の男子が1人近づいてくる。 「薫くん、早く体育館行かないと、また柊さんに怒られるよ」  こいつは如月刹那、蒼真の従兄弟だ、身長167で気弱だが、童顔なので人気があったりする奴だ。 「それは嫌だな、じゃ行くか刹那」  俺は体育館に向かって軽く走り出す。 「あ、ちょっと待ってよ薫くん」
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