0人が本棚に入れています
本棚に追加
そして今に至る。
昔を振り返っているうちに教室まで来てしまっていた、俺はドアに手をかけ開ける。
「薫、遅刻!」
「君は相変わらずだね、薫」
そこには、ドレス姿の結衣と貴族姿の蒼真が台本を片手に椅子に座っていた。
「遅刻って、まだ10分だろ」
「キャストは7時50分って昨日、メールしたよ私」
いきなり結衣に怒られた。
俺は急いで鞄を机に置き、携帯を見てみる。
「わりぃ、見てなかった。今すぐ着替えてくるから」
俺は自分の衣装を持って、走りながら教室を出ていく。
更衣室に向かう途中、俺はあの言葉を思い出す。『君の事を待ってるよ』いったい何なんだろうな。
「あれは、結衣じゃないし。葵や葉月、ましてや神宮寺でもないしな」
更衣室
俺は演劇の衣装に着替えながら、ふと思った。
「しかし変わってるよな、うちの高校。5月のクラスの仲を深める為の清春祭と10月の一般的な文化祭の清秋祭の2回もやるなんて」
あっ、ヤバい着替えないと
最初のコメントを投稿しよう!