第壱話 高嶺高校文化祭

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 そして今に至る。  昔を振り返っているうちに教室まで来てしまっていた、俺はドアに手をかけ開ける。 「薫、遅刻!」 「君は相変わらずだね、薫」  そこには、ドレス姿の結衣と貴族姿の蒼真が台本を片手に椅子に座っていた。 「遅刻って、まだ10分だろ」 「キャストは7時50分って昨日、メールしたよ私」  いきなり結衣に怒られた。  俺は急いで鞄を机に置き、携帯を見てみる。 「わりぃ、見てなかった。今すぐ着替えてくるから」  俺は自分の衣装を持って、走りながら教室を出ていく。  更衣室に向かう途中、俺はあの言葉を思い出す。『君の事を待ってるよ』いったい何なんだろうな。 「あれは、結衣じゃないし。葵や葉月、ましてや神宮寺でもないしな」   更衣室  俺は演劇の衣装に着替えながら、ふと思った。 「しかし変わってるよな、うちの高校。5月のクラスの仲を深める為の清春祭と10月の一般的な文化祭の清秋祭の2回もやるなんて」  あっ、ヤバい着替えないと
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