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「なんだ、照れてるのか? ユキって意外とウブなんだ?」  とユキをからかってみれば顔を赤くする。でも無言で俺を睨みつける様は怒ってるようで、昨夜ベッドの上で可愛い声を出したユキとは全くの別人だった。 「……合コンに出たって本当?」 「ああ、あれ」 「女の子送って行ったって本当?」  ……なんでそこまで知ってるんだ? あの後俺を付けた訳じゃあるまいし。 「ああ。だってしょうがねえだろ。あれは……」 「い、言い訳するの?」 「ヤキモチかあ??」  酒井だ! 今朝から玄関でベルスタッフのヘルプに入ってる。チェックアウトしたユキに酒井が声を掛けない筈がない。 「ムカつく! あんたみたいなチャラ男に妬いたりしないわよっ」 「なんだよ、人を遊び人みたいに」 「今日だってご指名入ってんでしょ?? どうやって連れ込むか考えながら教える訳?」 「アホ」 「ア……」  酒井だと分かったはいいが、ユキは誤解とも知らずに誤解を解く間もなく言葉を乱射する。まるで俺が遊びでユキを抱いたと思われてるようで腹が立った。つい応戦してしまう。 「今日の子は去年教えた子が直々に俺を指名してきてさ」 「なあんだ、去年のうちに唾付けてたんだ?」 「当たり前だろ。お前なんかより若くて素直で可愛い子だし」 「なっ……!」 「ちゃんと可愛くおねだりもするぞ、キスして、って」 「……」 .
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