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――光よりも闇が好き
それは男も同じ様で、レインと繋いだ手の、逆手で太陽の光を遮っていた。それでも男はレインを気にかけてきた
「レイン、大丈夫か?久しぶりの屋外だろう」
「……………うん」
「さぁ、早く馬車に乗ろう」
男は施設の前に止めてあった馬車に歩き出し、その扉を開いた。初めて乗る馬車だったが、思いの外これといった変化はなく、レインは大人しく座った。
向かい合う様に男は座り、扉を閉め、後ろを二回ノックした。同時に馬の鳴く声がしたかと思うと馬車はゆっくりと移動を始めたのであった
男は施設内で終始被っていたフードを取り、レインを見て手を差し伸べた
「申し遅れた。私の存在は秘密の為、名を明かさなかった。分かってくれ……」
【No.Ⅰイガレシュ・カイン】
彼はそう名乗った。黒毛の髪は比較的短く、その隙間から垣間見える瞳は茶色に染まっていた。体格は痩せ形でいて身体付きは良くローブがその身体を如実に表していた
彼の手を取り握手をしたレインだったが、二度目だったこともあり手を繋ぐ事には慣れた。
「………イガレシュ・カイン」
「No.I(わん)もしくはカイン。そう呼んでくれ」
そう言ってカインは隣にある箱から一枚のローブを取り出し、レインに着させた。
彼と同じ様に、黒に染め上げられたローブは、既にレインの体格を知ってか、ぴったりと合うサイズだった
「君に贈ろう、兄弟の証だ。今日から君は【No.XII レイン】だ」
【No.XII(No.12) レイン】
これがこれから自分に与えられた名前であり存在を示すモノ。しかしレインはそれよりも名前の先に付く番号が気になった。何かの識別番号だろうか?
それについてもカインは丁寧に説明してくれた。
「それは俺達の家に来た兄弟の順番を示すものだ。俺は機関の創設者の一人だからNo.I、君は一番新顔だからNo.XIIだ。分かったか?」
要は識別番号と大差は無いものだ。そう受け取ったレインは頷いてそれに応えた。ここから分かる事は、カインを含めても、あと11人の兄弟が居ると言う事
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