闇に捧げる【鎮魂歌―Requiem】

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無論、二人の後ろをついて行ったレインでさえも、二人が放つ異様な雰囲気を感じ取れるほどだ。 例えようの無いが、言うならば二人の周りを包む空気がピリピリしている様なものを感じた。それでも二人はレインにとって【敵】ではないのだからレインは警戒せずに歩く事ができた。 視界一杯に広がる巨大な黒い城……。城壁の所々が欠け落ち、地面に破片となって転がっている。城の至る所に傷んでいる痕が見受けられ、一見して見ると【古城】という言葉が似合う その古城の中心にある鉄製の扉は、優に五メートルを超える。それが今、音を立ててゆっくりと開いていく。 扉が完全に開ききり、空いた空間が大口を空けて三人を待ち構える。カインはレインに向き直り両手を広げて言った 「ようこそ、我が家へ。No.XⅡレイン。ここに我らが新しい兄弟を歓迎と共に迎えよう」 こうして、レインは新たな名前と居場所を手にし【黒の機関】の一員となった。兄弟という存在がこれから彼の人生を如何に狂わすかも知らずに―――
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