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家の中に入ってまず導かれたのは大きな広間の様な空間だった。床には厚毛の絨毯が敷かれており、広間の中央には大きな暖炉が轟々と炎を灯していた。幾つかの椅子がそれを囲う様に置かれている
その暖炉に、何やら木片を入れている人物がいた。彼は後ろ姿から見るに相当な大柄な男だった。その男は近付く足音に気付きこちらを振り向いては喜んで歩いてきた
「よぅ!!待ちくたびれたぜぇ兄弟!!」
「そう喚(わめ)くな、ミネル。兄弟が驚くだろう?」
「レイン君は、あまり気にしていない様だが……」
…………………。
「へぇ、レインって言うんかぁ。よろしくなっ、小僧!!」
………小僧
変わらない調子の大男に、ロイは溜め息を吐いてレインに振り返った。その表情は苦笑い。
「悪いなレイン君、新顔への彼なりの挨拶だ。許してやってくれ。紹介しよう、No.Ⅲで創設者の一人【ハザード・ミネル】だ皆ミネルと呼んでいる。適当に呼んでくれ」
「よろしくなっ!!兄弟」
求められた手に応じたが、レインは直ぐに後悔する事となる。予想を遥かに超えた力で握手をするミネルは、今にもレインの手を粉々に砕きそうだった。
レインの苦表情にいち早く気付いたカインとロイは、二人同時にミネルの顔面を蹴り上げた。鈍い音を立てながら後ろに吹っ飛ぶミネルは、貯められた木片の山に身体を突っ込んだ。
「いっ……痛ぇなぁ!!何だよ?いきなりよぉ」
「馬鹿者、来て早々に兄弟の手を砕かれてたまるか。少しは頭を使え、筋肉馬鹿!!」
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