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病院のベッドから見る変わらない景色。代わり映えのしない景色。
春が来て……夏を迎え……秋が過ぎ……冬の厳しさを知る。
私……宮内梓は、病院で三度目の春を迎える事になった。
この日記も三冊目になっちゃったな。いつの間にか詩集みたくなった日記を閉じて思う。
私はネットがあんまり好きじゃない。誰しもが分かったような口調で近づいてくる。だから拒絶する。人はそんなに簡単じゃない。私も分かったフリを無意識にしてしまう。それに自己嫌悪してしまう。
だから、こうして日記にしている。誰にも見られたくないから。見せたくないから。私の心の奥底を見せる人は限られた人だけでいい。
窓の外には満開の桜が咲いている。今年は少し早いみたい。そんな事を綺麗に着飾ったお姉さんがこの間テレビで言っていた。でも、毎年同じ台詞を聞いてるような気がする。
……私はいつ楽になれるかな。
最近はそんなことしか思えなくなってきた。
私の病気はガン。手の施しようがない位まで進行してるらしい。
こんな私を支えてくれるお父さん。
大好きなあの人。
物思いにふけっていると病室の扉が勢いよく開いた。
「梓!王子様の登場だぜ!」
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