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「……なに、やってるんですか」
「あれれー? もしかして照れてるのー?」
「先輩の方こそ、顔が真っ赤ですよ?」
「知ーらなーい。聞こえなーい!」
顔から火が出る。
そんな言葉がぴったりなことを、俺は今まさに体験中である。
穴があったら入りたい。無かった掘って入りたいぐらいだ。
「まったく。恥ずかしいんだったらやらなきゃ――」
「そういえば、自己紹介ってまだだったよねー」
「んぐぅ!?」
今度は強引に、プリンの乗ったスプーンを突っ込まれた。
「えへへー、私の名前はね!」
桜の花びらが舞う金曜の午後。
それにしても、このなめらかプリン。
なんだかいつもより少しだけ、甘い気がした。
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