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私は、ある大手企業会社の社長の秘書を勤めており、
なにかと仕事を優先してしまう事が多くて、沙恵には寂しい思いをさせてしまっていた
きっと小学校に上がり、運動会や参観日などの行事が増えるようになれば、沙恵はもっと傷付くだろう
幼稚園児の今の沙恵でさえも辛いとは思うが、私が仕事をするのも娘の為であった
沙恵が産まれてすぐに旦那と離婚し、収入がないから女の私が一人で稼がなきゃならない
収入がないと言うのは、元旦那が借金を抱えた事が原因で離婚したため
そんな人からお金を巻き上げる訳もいかないからだ
幼い頃の自分が貧乏な生活を送ってきたため、沙恵には苦労して欲しくなかった
『じゃあ沙恵、幼稚園行こっか』
沙「うん!」
小さな手が私の手に包み込まれるように握られ、幼いながらも離れないようにとしっかり繋がっている事に私は安心感を覚えた
そして二人で「行ってきます」と誰もいない家に言い、玄関を出た
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