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エリィの死体の側でシャーナが放心していた。
「シャーナ、前を見ろ!」
ゼオンが叫び、ダリヨスは魔王に矢を合わせながらシャーナを突き飛ばした。
「こざかしい」
魔王の手から放たれた紫炎の弾はダリヨスの矢を焼き、そのままダリヨスに直撃した。熱風と共に、異臭が鼻をつく。
「いやぁーっっ!」
シャーナが絶叫しながら黒焦げになったダリヨスに駆け寄った。嗚咽混じりの声で必死に魔法を詠唱しようとする。
「ご、ごめんなさい、ダリヨス。か、回復魔法かけるから、ゼオンは時間稼いで」
シャーナの顔は涙でぐしゃぐしゃだった。ゼオンは真っ直ぐに魔王を見据え高らかに吠える。
「時間稼ぎなんかしないで決着つけてやるよ!」
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