クライマックス

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   ゼオンは金色に輝く大剣を構えて前に出た。魔王は黒い玉座から微動だにせず、笑みを浮かべている。 「五人いたパーティーも残りは魔法使いと勇者様だけか」 「まだダリヨスは死んでない!」  玉座から動こうとしない魔王を睨み付けて、ゼオンは声を荒らげる。  魔王はふんっと鼻で笑って、再び掌に紫炎を集め始めた。 「させるかっ!」  ゼオンが飛ぶように走り魔王に詰め寄る。 赤いマントが翻った。 「遅いっ!」  目が眩むような紫炎はゼオンの左脇を抜け、後方にいたシャーナとダリヨスの元で爆音をあげた。 「終わりだ」  魔王は静かに立ち上がった。 「ああ、そうだな」    ゼオンは振りかぶった剣をゆっくりと下ろした。  
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