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「六百三十円になります」
「はい……」
引きつった笑みを店員のお姉さんは浮かべている。
学校から出た僕は本屋にて雑誌を購入していた。
身体は傘がなくなったため、ずぶ濡れ。
ちなみに本のタイトルは『女子中学生妻みはる!?』。すれすれのエロ漫画だ。
……なんだよ、なんか文句あっか?
「千円からで」
僕は財布からお札を取り出そうとして、固まった。
「きゃああああ!?」
やばっ、触手はみ出た。
「いや違うんですよこれは違う──」
僕の意志とは関係なく再生した触手は本屋のお姉さんの身体に絡み付く。
柔らかい……だと……?
お姉さんははじめと違って豊満な身体付きだったため感触が……ああ幸せ……。
前言撤回、やっぱ僕二次元至上主義者やめるわ……、
「助けてえぇぇえ!」
「うへへへへへ──ってヤバッ!」
ドバババババッ!
興奮しすぎて白い粘液がカウンターにぶちまけられる。やべっ、出ちゃった。
「僕は変態じゃないし触手人間でもないからな!」
「変態ぃ! しかも万引きぃ!」
店員のお姉さんの泣き叫ぶ声を背に僕は家まで爆走した。どーしよ、僕……、あ、また汁出たっ!
かくして触手人間となった僕の話は始まったわけだ。ああもう、粘液が止まらん!
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