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うぜぇ。
何が悲しくてこんな薄暗い部屋で四十絡みのおっさんの顔を拝まなくてはいけないのだ。
「俺達はこの由緒正しき七ツ星学園の地下でこっそり街を守る秘密結社──『トライアングル』だ」
「秘密結社……」
倉田は普段生真面目だから冗談を一切言わない。その倉田がこんな下らないジョークを口走るなんて……。
僕は自分の焼け爛れた右手を見る。触手は驚いたことに自己再生していた。
怪しげな黄色い体液が焼き爛れた箇所から噴き出て、千切れた触手はびたんびたん床を波打っていてかなりグロテスクだが気にしない気にしない。
「うわ、キモっ……」
はじめは本気で引いている。と、僕の左の触手から突然白い液がドピュっと噴き出してはじめの顔面にかかった。
「やだっ、ベトベト……」
「辛抱たまらん! やらせろぉ!」
僕は興奮の余り再び触手をはじめに伸ばした。
「話はまだ終わっとらんぞ」
痛っ!!
倉田が日本地図を剣のように振り下ろすとブシャアアアと黄色い液が弾けて僕の両手(触手)が真っ二つに引き裂かれた。
その日本地図そんな使い道あったのかよ!
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