触手人間、爆誕!

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 生徒指導室前まで来るとギャル三人衆は悔しそうに地団駄を踏んだ。ここで騒ぎを起こせば奴らも倉田に反省文を書かされるからだ。 「覚えてろよ!」 「うっせバーカ! 男と長続きしないからって僕に八つ当たりするな」 「きぃぃぃぃ!」  ギャルの真ん中が地団駄をがすがす踏みまくった。パンチラがあったがあんな薄汚いパンツが見えてもなんの価値もない。  僕は勝利の優越感に浸りながら生徒指導室のドアを開けた。 「座れ」 「は?」 「だから座れ」  仕方なく座って辺りを観察する。倉田の他に体育の先生が三人、ジャージを着て仁王立ちしている。  しかも手には僕の彼女達が……。 「貴様の行動は余りにもひどい。第一なんだこの漫画は、こんなもの授業中に描いていいと思ってるのか?」 「いえ、これは趣味ですしその……」 「読め」 「は?」 「貴様のその作品に描いてある台詞を読んでみろ」  …………なに?  さっきからこのハゲジャージ、執拗にプレッシャーを掛けてきやがる。くそ、くそ……! 「お兄ちゃ……ダメ……、あああ……あ……」 「聞こえん。もっと大きな声で」  ぷちん。 「お兄ちゃんダメあ! あああ! アアアアアアアア!!」  僕の声は防音加工されている生徒指導室内で反響する。くそ、こうなったらヤケだ。 「もっと大きな声で」 「お兄ちゃんの大きいあ、あああ! イクイクぅぅぅう!!」  朗読会は最終下校時刻の夜七時まで行われた。
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