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☆
僕が再び目を開けると、そこは見知らぬ暗い部屋だった。
僕は保健室に置いてあるようなベッドの上に横たわっていた。周りをみれば、放送室の放送器具や、図書室の本棚など学校の備品がちぐはぐに置かれている。
壁に架かってあるベートーベンの肖像画の視線を気にしながら、僕はゆっくり体を起こした。
「どこだここ……?」
「あ、気付いた?」
突然女子の声がして、僕は思わずベッドから崩れ落ちた。仕方なく起き上がるためベッドの縁に手を──
「あれ?」
手の感触がおかしい。上手くは言えないが、まるで自分の手じゃないように感覚がないのだ。
「ああ、まだ完全に身体と馴染んでないみたいだね。まあ今晩中には完全に融合するし大丈夫でしょ」
本棚の影からスッと小柄な女の子が現れる。
栗色のショートカット、リスのように大きなよく動く目、猫のような悪戯っぽい笑み、の割りにはきっちり着こなしている制服……。そしてトレードマークに赤いニット帽。
僕はこの少女を知っていた。
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