荻原少年の一日②

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この力はすごい。 例えば今みたいな授業中、僕の握られた拳の中には白チョーク。 これを僕の二つ前の席の奴の頭上に…… 「う、うわっ!!!!」 そいつは突然自分の頭上から落ちてきたチョークに困惑する。 学年でも有名ないじめっ子だ。 すぐに自分の隣の奴の横腹を肘でつつき、吠える。 「バレバレだからな。後で覚えてろよ」 さすがに授業中に席を立って怒鳴り散らす勇気はないのか、静かにそう告げただけだった。 隣の奴は、あらぬ疑いをかけられて困るばかりだ。 ああ、気分がいい。 誰にもバレないし、好き勝手できる。
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