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カタカタカタ カタカタカタ
「藍原さん。バス、もう着く時間じゃないの?」
「え?……ああ。まだ大丈夫。バスが着く時間まで後20分もあるから」
「え!?」
「え?」
「バスがもう着く時間だよ?」
「え……だって、私の時計ではまだ…」
「見して」
そう言うなり前原さんは私の腕時計を覗いた。
「……あ、やっぱり。20分ぐらい遅れてるよ?」
「え!」
慌てて、自分の携帯と腕時計を見比べる。
確かに、20分程遅れてしまっている。
「大変だ!バスに乗り遅れる!!」
急いで、書類を片付け帰りの準備をした。
「お先に失礼します!」
「じゃあねぇ~」
前原さんに挨拶をして、会社から出た。
もう既に、10分は経過している。
いくら走っても、もう間に合わない。
私は走るのを止めて、ゆっくりと歩いた。
次のバスが来るのは………1時間後!?
もう、夜なんだけどな……。
絶望的だ……。
と、一人で落ち込んでいるとバス停が見えた。
「仕方ない。ベンチで座って待っているか……」
そう思い、ベンチに腰を下ろした。
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