日常

4/4
前へ
/26ページ
次へ
そう思ったが、身体が吸い込まれるようにバスに乗った。 今思えば、あの時不思議に思うはずだった。 何故なら、運転席には居るはずの運転手が居なかったから。 だけど、頭がボッーとしていて考えられなかった。 バスに乗ったのを覚えていたのは、曖昧だった。 乗ったかもしれない。 乗らなかったかもしれない。 曖昧過ぎる……。 気付いたのは、知らない部屋。 バスに乗った後から、記憶が無い……。 「ここは………?」 知らない部屋。 見覚えのない部屋。 だけど、何処か懐かしい。 懐かしい? 何故。 古びた木の部屋。 部屋の中は、物などあまり置いてなく殺風景だ。 ここが、自分の部屋じゃないというのは理解が出来る。 だけど、この部屋の持ち主が誰かは見当もつかない。 「私は今まで何を?」 そこで、ある考えが頭の中を横切る。 バスに乗った後から記憶が無いということは……バスの中で寝ていたのだろうか。 なら、この部屋の持ち主は私をここまで連れて来たのだろうか。 なら、迷惑をかけた。 今さらながらに、良い大人が何をしているんだと、羞恥で頭が痛くなった。 だが、ここで何時までも居ても意味がないだろうと、自分自身に叱りここから出た。 ギィィィ―――‐‐‐ ‐‐――――バタン .
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加