異変

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「皐月。もうそろそろ中学生だったよな」 「は?」 「まだ寒いが、もう春だぞ?」 父にいきなり、そう言われた。 中学生? 何を言っているの? 私はもう社会人で、25歳だよ。 そう言おうと思ったが、ふと今自分が着ている服が目に入った。 私が着ているのは、可愛らしいピンクのパジャマだった。 ………ん?何か、小さくないか。 試しに立ってみた。 部屋の隅に鏡があった。 それに私が映った。 「え!?」 「どうした?皐月」 「まだ、寝ぼけているのか?」 「え……だって」 どう見ても私は、25歳には見えない。 私は大人ではなく、子供だった。 つまり、中学生……。 な、なんか頭が痛くなってきた…。 「皐月?本当にどうしたんだ」 「体調が悪いのか?もう一度、横になるか?」 父と祖父が立って呆然としている私を心配していた為、何でもないよと笑って座った。 目の前に置かれた、お菓子を食べながら考える。 私は、中学生くらいの年齢になっている。 それに、父と祖父……。 私って……過去に戻った!? なら、父のことも亡くなった祖父のことも説明がつく。 もちろん。私のことも。 ……てことは、もしかして……。 「あら皐月ちゃん。起きたの?」 .
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