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「皐月ちゃん。返事をするのが遅かったけれど、大丈夫かい?」
「大丈夫。ちょっと…ぼんやりとしていただけだから」
「そう?」
「うん」
「おい。皐月はまだ起きたばかりなんだから仕方ないだろう。あまり、追求すると可哀相じゃないか」
「アンタは黙ってて!心配して何が悪いんだい」
「俺はなぁ、皐月のことを心配して…」
祖父とおばあちゃん…つまり、祖母だ。
相変わらずだなと、とても懐かしく思う。
祖父と祖母はいつも口喧嘩をしていた。
ほんの些細なものでも口喧嘩の原因となってしまう。
本来なら、口喧嘩なんてすぐに辞めさせるべきなのだが、二人の場合は笑いながら口喧嘩をする。
所謂口喧嘩は、二人にとってのコミュニケーションということになる。
「アンタはすぐに私を邪険に扱う」
「違う違う。皐月の為に言っているんだよ」
まだ、やっている。
二人は、本当に楽しそうに口喧嘩をする。
「皐月。まだ夜中だからもう一度寝てくるか?」
ずっと祖父と祖母の口喧嘩を見ていたら、父が声をかけた。
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