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はたと気付くと俺は無理矢理立たされていた。目出し帽から覗く目が怒りに震えている。俺は胸倉を掴まれ、男に引き寄せられていた。 「お前、なんで鼾なんかかいてやがる。馬鹿にしてるのか!」 俺はまたも急いで首を振る。違うんだ、馬鹿にしてなんかいない、怖くて、緊張しているだけなんだ、特異体質なんだ、そんな銃を目の前で振りまわさないでくれ、暴発したらどうするんだ、こんな至近距離で撃たれたら絶対死んでしまう、止めてくれ! 放してくれ! 助けてくれ!
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