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嫁に浮気がばれそうになった時はひどかった。 俺の携帯に保存してある「今日はとても楽しかったです。また店にも遊びに来てくださいね。さりな」などと書かれたメールを盗み読みされたのだ。 俺は「会社の先輩のつきあいでキャバクラに行っただけだ。アドレスを強引に交換されたんだよ、こんなの単なる営業メールだよ」と説明した。 それが真実ならば俺も緊張などしなかったであろう。実はその娘と店外デートをしてセックスするまでの仲になっていた。 別に本気でこの女に溺れているわけではない、数回エッチしただけだ、それくらい浮気と呼ばないだろう、いや、普通は呼ぶだろうな、なんて考えながらも睡魔が徐々に顔を出してきたので必死で覚睡しようと自分の足の裏を力強くマッサージしながら、いつの間にか眠りの世界へ入ってしまった。 頬への衝撃と、テレビの角にしたたかに打つけたこめかみへのニ撃で俺は目が覚めた。激痛に耐えながら見上げると嫁が仁王立ちをして睨みつけていた。
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