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「じゃあ、天音さん。自己紹介再開しちゃって」
「は……はい」
天音と呼ばれた少女は生徒たちの方へ振り向くと自己紹介を再開する。振り向いたときに揺れた髪は乱れもなくカーテンのようになびく。髪の美しさもありながら、彼女自身の美しさと可愛らしさに柏も含めて他の生徒も魅力にされていてわずかながら話し声も聞こえる。
「奏川 天音(かなでがわ あまね)です。得意楽器は……」
「ん? ……天音さんどうしましたか?」
突然途切れた声。恥じらいなのかそわそわとした仕草で少し顔を赤くする。よほど言いにくいことなのか周りからは興味を示した目で天音を見つめる。特に男子生徒は何を考えているのか鼻息を荒くしている。
「ぼ、ぼ……声(ボーカル)です!」
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