夢と未来への奏で

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 このまま落ち込んでいるわけでもないので、肩で深呼吸をして落ち着いた後、柏は自己紹介をする。とりあえず名前と得意楽器を言うことは分かった。 「えっと、鈴神 柏(すずがみ かしわ)で、得意楽器はエレキギターです。一年間よろしくお願いします」  簡単な自己紹介を終えると恥ずかしいこの場所から一秒でも去りたいという気持ちで早足に自分の席へ向かうとそのまま座って少しの間、先ほどの天音のように少し顔を赤くさせていた。 「あっ、柏君。ヘッドホン外してっておっと、彼は特別だった。ううんごめん、外さなくていいよーー」  そんな先生の声も恥ずかしさを抑えるのでいっぱいで桜菜氏の言葉は耳に届かなかった。
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