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広い歩道を歩けば、当たり前のように24時間営業のコンビニがあったり、朝早くからカフェが開いて従業員が店前をほうきで掃いていたりしていた。
通りすぎようとすると目が覚めそうなコーヒーの芳香がただよう。
そんな大通りからさらに暗く、狭い通路に入る曲がり角を曲がったところで、思いがけないところを目にする。
「うっ……!」
後ろの壁に押しつけられた少年は小さな悲鳴を上げる。
逆に押しつけたほうは相手の胸ぐらを掴んで派手な金髪に耳にいくつかのピアス。乱れた制服の着方から不良と一目で分かるだろう。しかも朝から人に突っ掛かっている。
「おいおい兄ちゃん。金、ちょっとでいいから金を貸してくれよぉー」
胸ぐらを掴まれた少年と不良との顔の距離は鼻と鼻の距離だ。
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