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人をからかったり脅したりしているような口調に掴まれた少年は近づいて目線を向けると困ったような顔をしていた。
面倒なことに巻き込まれたくない。そして初日の翌日から遅刻はしたくないと思っていたのか、緑髪の少年はそのまま関わらないように通り過ぎようとした。
その時だ。
――ガツッ!
すれ違う様に背負っていた楽器のケースが傾いてそのまま不良の後頭部に直撃して鈍い音が響く。
「おい! てめぇ! いてぇじゃねえか!」
不良は突然ぶつけられたのか勢いで掴んでいた胸ぐらを放して自分の後頭部を押さえ、通り過ぎようとした緑髪の生徒に罵声を響かせる。
しかしながらヘッドホンをしていたのか不良の罵声に反応せずに緑髪の生徒は傾いた楽器のケースを元に戻して何事もなかったようにその場を去ろうとする。
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