夢と未来への奏で

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「僕? 僕は興味深々だよ。どんな慌てた様子で教室に飛び込んでくるのか想像しただけで肩が上下に震えそうだよ」 「お前、可愛い顔して心はワルだな……」  悪戯にも微笑む陽輔に、明崎は横目で肩を落としてため息をついた。  そんな陽気の話の中、学校は規則どおりに時を刻んで鳴るチャイムが窓際に一つ残された空席の人の遅刻を確定させた。寝坊なのか単なる時間間違えなのか、もしかしたら単なるサボりかもしれない。 「あららー、結局こなかったね。早速だけど昨日は入学式だけやって終わっちゃったからHRは自己紹介でもしてもらおうかなー。  あ、私は御吹 桜菜(みすい さな)。一年間よろしくねー」
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