国籍不明な不法侵入者

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  ……わかった こいつのこの、顔、が悪いんだ その顔でお願いされたら、なんでも断れない気がしてきた どう考えたって、こんなおかしな大金持ちの不法侵入者を自分の部屋に住まわせるなんておかしなことなんだけど こいつもイカレてるけど、俺も大概イカレてる だけど、しょうがねぇじゃん こいつ見てるとなんかさ…… 小さい頃に飼ってた、大好きだった犬に似てるんだもん だから、しょうがないんだよ こいつの顔が悪い (…でも、だからって、どうなのよ…) それを理由にするには、あまりにも有り得ないことを許してしまったわけなんだけど 一度了承してしまったもんは仕方ないし (…ま、ペットだと思えばいっか…) 男に二言はないと腹を括って、突然一緒に暮らすことになったおかしな同居人に 改めて問いかけた 「…で、マジのマジで、何者なわけ?」 「だ―か―ら!神様だっつ―の!」 「…あっそ、…じゃあ、名前は?」 「………、ジン!」 「ジン?」 「そう!神って書いてジンね!はは!」 「あっそ……」 どこまで本当かわからないけれど(まぁ、ほとんどが嘘だろうけど) とりあえず、俺は、神と書いてジンと読む、自称神様と暮らすことになりました (…あ、あん時上を指したのって、天を指してたのかな…?) 正体不明どころか、国籍不明です これからどうなるのか、超不安…… 「なぁなぁ、お前は名前、なんつ―の?」 「………」 なんか、今更だけど、どこまで信用していいのかわかんなくて、怖いんだけど 「なぁ―ってば!」 ……だけど、やっぱり、その人懐っこい感じも ちょ―、犬っぽいからしょうがないか 「………カズヤ、」 「カズヤ…、これからよろしくな!」 「…ハァ……」 さて、突然現れた自称神様と人間の暮らしは、どうなっていくのでしょうかね?  
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