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声「お~い、トオル~待ってよ~」
声の主は
幼なじみの田村 ゆり子だった
トオル「何だよ?今一人で帰りたい気分なんだよ…。」
ゆり子「ははぁ~ん…さては車の事かな?トオルは車の事になるといつもそうなんだから。」
っと、笑いながらゆり子は言った。
トオル「うるせぇなぁ…隣乗せてやんねぇぞ?」
ゆり子「良いも~ん。西山の34スカイライン乗せてもらうし。」
トオル「そ…そうか。勝手に乗れば良いじゃん。」
ゆり子「ふふふ…トオルったらぁ…何むきになってんのよ?」
トオル「む…むきになってねぇよ!」
ゆり子「冗談よ。アタシが約束破るわけないじゃん。」
実は、今から10年前…
小学生だったトオルとゆり子は、トオルが免許を取って車を買ったら、助手席にゆり子を乗せてドライブに行くという約束をしていたのだ。
トオル「それが…俺…約束守れないかもしれないんだ…」
ゆり子「えっ!?何よ?それ…」
トオル「俺…貯金もあんまり残ってないから教習所行けないんだ…。だから約束果たせないんだ…。」
ゆり子「何よ!最初からできっこない約束なんてしないでよ!」
ゆり子は激怒した
トオル「ごめん…」
しかし、しばらくして…
ゆり子「ねぇ、トオル…。アタシはいつでもいいよ。トオルが免許さえ取ってくれれば良いの。もちろん、アタシが死ぬまでにね。」
トオル「ゆり子…」
トオルの目が次第に涙目になってくる
トオル「俺、絶対約束守るから!それまで待ってくれるよな?」
ゆり子「もちろんよ。でも、寄り道したりとかしないでね。」
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