リアルドラえもん

11/25
前へ
/25ページ
次へ
やっぱり自分の部屋が一番落ち着く。   机のひきだしを開けてみる。   昔はここから、僕を助けてくれる、万能ロボットが出てくるだなんて、そんな妄想ばかりしていたもんさ。   自分のバカさ加減と現実の厳しさに絶望する。    いくら勉強した所で、応用問題なんて解けるはずがない。 これは後で知ったことだが、僕の知能指数は常人よりも遥かに低いそうだ。   本当は生徒には教えてはいけないはずなんだけれど、小学校の卒業式に、学年主任の先生からそう聞いた。   よほど僕のことが嫌いだったのだろう。   その上未熟児だったため、体も酷く弱い。 今でも一年に一度は風邪で死に掛けている。   もう、いっそ死んでしまおうか……。   そんな考えが頭に浮かぶ。   生きていても、楽しいことなんて何もないんだ。ならばいっそ……   誰か……誰か助けてよ……。   「助けてあげるよ?」   ふと気がつくと、すぐ後ろに誰かが立っていた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加