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じんじんと手に痺れが残る。
ジャイアンは頭からどす黒い血を流したまま、ぴくぴくと痙攣していた。
このまま放っておいても、すぐ死ぬだろう。
すぐにトドメをささなければならないと思ったが、突然恐怖に駆られ、僕は一目散にその場から逃げ出した。
ドラえもんの言った通り、証拠だけは残さないようにと、自分のケータイだけはひったくっておいた。
慌てていたためか、家とは全く逆方向の繁華街の方へ出てしまった。
公園の水道で思い切り水を飲み干す。
少し落ち着いた。
そのまま暫くベンチで休んでいると、僕は見てはいけないものを見てしまった。
しずかちゃんと出来杉が、ホテル街の方から出てくるのを……。
僕の中に再び、どす黒い感情が沸き上がってきた。
だけれど……相手は、しずかちゃんだぞ……?
いや、やっぱり……僕は……。
ドラ「殺るのかい?」
飛び上がるほど驚いたが、そこにはドラえもんが立っていた。
のび「でも……しずかちゃんは……」
ドラ「すぐに男と寝るような女に成績優秀なことを鼻にかける糞野郎、あんな奴ら、いない方が世のためさ、ハハッ!」
のび「……そうだね。次のターゲットは、奴らだ……」
僕は、狂っていたのかもしれない。
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