長いトンネルを抜けると、

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「一番始めに辻斬りされかかって逃げる役だよね!!」 「・・・もう、お前黙ってろ」 「違うの?」 「もういいから・・・」 「すいやせん!遅くなりやした!」 テシテシ床を蹴る音をさせながら、下っ端がやって来た。 蛍光グリーンの着物と黒い短パンを着てて、座ってるタツヤくらいの身長。 そしてピンと立った耳は日本産の証。 彼は深緑のビスの打たれた木箱をフッサリした前足で持って、上手にチンチンしてる・・・。 「柴犬だぁあ!!可愛い~!」 「へ!?」 「おせぇぞブンキチ」 「あ、すいやせん旦那。 え、あの、このお嬢さんは?」 「可愛い!触ってもいい!?」 「・・・ふぅ」 「わ!よして下せぇお嬢さん!!」 「モッフモフしてるよタツヤ! タツヤの飼い犬!?可愛いいねぇ!!」 「良かったなブンキチ、気に入られたらしぃぞ」 「旦那ぁ!! 見てねぇで助けて下せぇよぉお!」 「モッフモフだねぇ!・・・・ブンキチ?」
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