長いトンネルを抜けると、

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眉をビクビク引きつらせたタツヤは、何かに耐えるように目を閉じている。 その後ろで焦ったように、犬とは思えないスピードで煙管に何やらしているブンキチ・・・・。 2人とも、あっ違うや。 1人と一匹はどうしたんだろ? 「はい!旦那、煙管ですよ! 吸って落ち着いて下せぇっ!」 「・・・・」 「ど」 「おっ嬢さんは!!黙ってて下せぇ!」 「・・・・はい」 ブンキチに柴犬とは思えない目ヂカラで睨まれた。 やっぱりお座敷柴も獣なんだなぁ・・・・。 「ふぅぅぅぅぅぅ・・・っ」 煙と一緒に五十年分はかたい幸せの溜め息を吐いたタツヤを、心配そうに見つめるブンキチ。 「だ、旦那。落ち着きやしたか・・・?」
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