2人が本棚に入れています
本棚に追加
絞って絞って最後の一滴っ・・・・・!
そんな勢いで絞り出されたブンキチの声に、タツヤ威厳を持って頷いた。
「ふうっ・・・く・・・!
すいやせん・・・・旦那にばかり・・・っ」
え?ブンキチ泣いてるの??
器用に正座してる膝に置かれた前足、肩がプリプル震えている。
「ブンキチ、男が簡単に泣くんじゃねぇ」
「で、でも!」
おぉわっ!
ブンキチは号泣してた!
ガバッと顔を上げた拍子に、バタバタと涙が粒で落ちるくらいの滂沱!
「ブンキチ!」
「ゔっっ」
「男が泣いていいのは・・・!」
タツヤは、ブンキチの前に屈んでふっと笑い・・・・言った。
「失恋した時だけだろ」
・・・・親が死んだ時は・・・?
「だ、旦那ぁ!」
「おら、泣き止めブンキチ。
お前ぇは恋に破れた訳じゃねぇだろが」
最初のコメントを投稿しよう!