2人が本棚に入れています
本棚に追加
見つめられた視線から、
握られた手から、
掛けられたら言葉から、
2人の優しさが流れ込んできて心に溜まる。
それはやがて溢れて、目からボロボロと零れていた。
「坊・・・」
お姉さんが優しく柔らかに、頬を拭ってくれる。
「・・・男が泣くな・・・」
狼さんがグリグリと、不器用に頭を撫でてくれた。
たぶん、この人は乱暴なんじゃなくて力加減が下手なだけなんだ・・・。
「坊、男が泣いていいのは・・・・」
「ひぐっ・・・親が、死んだ時だけですか・・・?」
「いや・・
失恋した時だけだ」
轟く乙女発言に涙が逃げ出した。
最初のコメントを投稿しよう!