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「性別は、直に確かめていいってことだろ?」
ローズの服に手を掛けて、一気に引き裂いた。
少し驚くローズ。しかし、全ての服を剥いだ後、ルイは黙った。
少年?少女?どっちだ……?
胸の膨らみはなく、全体としては少年らしい。しかし、下半身に男性器はない。
「……素晴らしい。君はやっぱり、天使なんだね」
ルイがそう呟くと、ローズは突然大粒の涙を流した。
ルイは、それを見て、初めての感覚を味わった。
嬉しい。
嬉しいね。
今までどんな仕打ちを受けてきたんだ?
俺が守ってやる……。
ルイは、産まれて初めて優しく、誰かを愛した。
ローズには女性器もなかった。行為中は苦しそうに見えたが、それでもローズはルイを求め、きつく体を擦り寄せた。
気が付くと、夜中の3時になっていた。ルイとローズは裸のまま、まどろんでいた。
突然、ルイの部屋のドアが開けられた。
「!?」
ルイは咄嗟に身を起こした。そこには、いつの間にか帰って来ていた、姉のエリザベスが佇んでいた。
「あ……ベス……」
ルイは、安堵感と、気まずさが募った。
しかしエリザベスは、落ち着いた様子でローズの方を見ていた。
「……?」
ルイは、ローズの異変に気付いた。
完全に怯えている。エリザベスのことを見つめ、ローズは全身を震わせていた。
「ローズ、どうした?……大丈夫だよ」
「いやああああああああああ!!!!!」
ローズは叫び、ルイに抱き着いた。
「ルイ、この人、お店に来た。私の、ここ、取った。私が一度だけ、見世物のケースに入れられた時。この人が来てて、取れって命令したの」
「……」
ルイは、言葉が出なかった。
ここ、というのはおそらく男性器のことだろう。
エリザベスが。
エリザベスが……。
「静かになさいな」
エリザベスは、優しく口を開いた。
「あの時の子ね。何てことかしら……こんなに綺麗な顔と体で居られて、本当に……」
(あの時、もっと痛め付けるべきだった)
エリザベスは思った。
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