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「あ、ごめんどうしたの?」
あたしもあかりちゃんに聞こえる程度に声を小さくして聞き返す。
「鈴木先生が見てる」
「えっ、本当!?」
黒板の方を見てみるとこっちを向いた鈴木先生と目が合いそうになったので慌てて目を逸らす。
「…気をつける。ありがと」
あかりちゃんにこっそりお礼を言うと、あかりちゃんは「ん」と言ってノートの続きを書きはじめた。
あかりちゃんは無口であまり口を開かない子だけど、あたしとはよく話をしてくれる。
小学三年生の時に長野県から家の近所に引っ越してきて以来、中学高校と同じ学校で一緒に登下校したりもする。
少し目つきが鋭くて、首元でばっさりと切った黒髪のショートヘアが印象的なクールビューティーさん。
彼氏なんてすぐに出来そうだけど、興味が無いのかこの話をすると頬を膨らまして拗ねてしまう。
それも可愛いからたまにからかってしまう。
彼女はあたしの親友。
そして、あたしの秘密を知っている唯一の友達。
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