チャンス到来

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9月の下旬、秋らしくなってきて、イチョウが鮮やかなきれいな色に染まった葉を広げている。空気は秋らしく、イチョウの落ち葉で地面は黄色に染まっていた。 ここは、ある県にある高校、馬淵高校である。校門から校舎へ行く道にはイチョウの並木道がある。 今は、通学時間帯であり、たくさんの生徒がその道を歩いている。その中の一人に水島 幸也(みずしま ゆきなり)がいた。 彼は、この学校の2年F組の生徒である。彼はいたってごく普通のどこにでもいるような生徒である。 しかし、彼はこの生活に満足しきっているとは限らなかった。 人はどうせ死ぬ。だからどんなに努力しても意味はない。 こんな世界はつまらない、退屈だと考えていた。 そう考えていても、そんなことは表面に出さずに、心の奥底に秘めていた。彼は普通の学生生活を送っていた。 友達とわいわい騒ぎ、行事などにも取り組んでいた。
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