一殺目 双子の乱舞…はぁはぁ

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「桜っ!!あの時は包丁でも魅力的だったけど、殴打でもあの時はよかったでしょうが!」 「へうっ!お兄ちゃんごめんなさい……」 俺は自分の部屋で桜を叱っていた。 二年前の事故以降、何故だか大ケガをしないでいる。 ケガらしいケガは一ヶ月に一回ペースでくる光希の噛みつきチューチュー位だ。 桜と梅(双子の妹の妹の方)にいつも嫉妬を抱かせ襲わせてるが、ママンやパパや他の多数の障害に阻まれ、最大のケガがおでこを切った程度である。 「お兄ちゃんを縫い止めたいなら本気で殺ること!!じゃないとホイホイ光希についていくからな!」 「はいっ!お兄ちゃん!」 桜はとても良い返事をした。 「ほれ良い子良い子」 俺は妹の頭をそっと抱いた。 「えへへ……」 桜は幸せそうな声をあげていた。 「兄さん、喰らってください」 「のぅっ!」 頭に衝撃が走った。 何か少し大きくて固い物をぶつけられたようだ。 「兄さん……また隣の雌豚と帰ったのですね」 「梅か……GJだ」 どうやら頭に投げつけられたのは目覚まし時計らしい。 いい選択だ、センスを感じる。 「聞いているので…すか…?」 あまりにも痛かったので、嬉しくなって梅を抱き締めた。 「梅も良い子だ…桜も頑張れ!!」 「はっ…はいっ!お兄ちゃん!!」 これが山田家の日常だ。 普通じゃないのは知っているが、俺にとっては理想郷である。 .
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