第一章 目覚めの凱歌

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「世界は完全であらねばならない」  創世の光の中、歓喜につつまれた調和の中で、我らは唱和しました。 12の精霊によって形作られてゆく世界。 12の美しい調和。  全能なる唯一神ウァトスよ、 精霊の造物主たるウァトスよ、  我らは、美しく完全な世界を望みました。 それが貴方の御心にそうと、信じていたのです。 ですが…… いつからか、貴方の声は、我らには届かなくなり…… そして…… 彼が生まれました。 ウァトスよ…… それが答えなのですか?  どうかお願いです。 この愚かな精霊に、貴方の意志をお示し下さい。  どのような些細な兆しでも構いません。 この衰えゆく精霊がなす事に、確信をお与え下さい。  もはや…… 貴方の声は届かないのです。 .
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