第一章 目覚めの凱歌

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 深い森の中、ゲール族が狩り場としている森の中、ひとりの少年が、輝く星空を眺めていた。 「……リアンノン……元気にしているか?我が妹よ」 少年はアルサルといい、ゲール族一の戦士。何よりも、妹、リアンノンと制約を大切にする少年だ。  アルサルは空を見上げ語る。 そばに誰かが居れば、まるっきり怪しい人だが、今、青年の近くには誰も居ない。 「どうしてだろうな……村を空けるのは初めてじゃないのに……」 --今夜に限って、妙な胸騒ぎがする。心安らぐはずの星空が、ざわついている様に見える。 …俺には、お前のような予言の力は無いはずなのにな……… 「リアンノン……に~ちゃんは心配だぞ」 タッタッタッタ 後ろから足音が近づいて来る。 「アルサル、何、ぼぉっとしているっ!」 話し掛けてきたのは元気一杯な少女。 少女の名はモルガン。アルサルとは幼なじみで弓の名手だ。 「お、おう、ちょっとな」 勢いに負けて少々返事がおどってしまう。 「どうせリアンノンの心配だろ?妹離れしないのも、いい加減にしたほうがいいぞ?」 「うるさい!…で、どうだった?」 「へへん。聞いて驚くな!猪がうようよいるぞ!夜遅くまでねばったかいがあったな」 どこか得意げに言うモルガン。 「それじゃ、ゲールの戦士団に始めさせろ」 アルサルは腰にかけてある鞘から、剣を抜きながら更に言う。 「こっちに来た奴らは、俺とお前で狩るぞ?」 「おう!任せとけっ!」 やる気十分元気一杯に応えるモルガン。 「いくぞっ!」 「応!」 二人は、突進して来る猪の群に、飛び込んで行った。 .
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